10月から11月の登山プランニング

オピニオン

晩秋から初冬にかけて、紅葉が楽しめる傍ら、木枯らしから雪の便りと、美しさと厳しさとが表裏な季節です。木の葉が落ちた広葉樹の森を通過するのは、哀愁が漂ってとっても好きなんですけどね。登山の視点では、一年で一番、山行判断が難しいと考えています。

ラニーニャ現象が発生

気象庁からラニーニャ現象発生の発表がありました。日本付近では、夏は気温が高くなる傾向があり、冬は気温が低くなる傾向があります。今の時期、10月から11月に掛けて、気圧配置のちょっとした変化から大陸から寒気が流れ込み、山岳地域では予報にない大雪を降らす事がありますので注意が必要です。

過去、大きな遭難が発生しています。

過去の大量遭難は大方、この10月に大雪が降ったことで発生しています。ラニーニャ現象が発生している本年度は特に注意が必要です。冬山装備でお出かけ下さい。

体感温度に気をつけましょう。

山の気温ですが、標高100mで0.6度差が発生します。仮に、平地で10度ですと、標高2000mで10度引く12度ですので、氷点下2度になります。標高2,500mですと、氷点下5度になります。風速1mで体感温度が1度下がりますので、風速5m、標高2,500mですと、体感温度は氷点下10度となります。

ベルグラに注意が必要です。

この時期、ある程度の標高の岩場では薄い氷が張り付きます。登山用語で「ベルグラ」と呼んでいます。雨の後や、しみ出した水が結氷したり、日中に雪が解けそれが夜になると結氷することもあります。ホワイトアイスになっていた場合、結氷付着力が弱く、アイゼンやピッケルで叩くと簡単に剥がれ落ちますので、後続者に当たらないよう気をつけましょう。

ブラックアイスは要注意

日本語で「油氷」と呼ばれますが、結氷度と付着力の強い薄い氷が岩に張り付いた状態をブラックアイスといいます。アイゼンで叩いても壊れませんので、登山道で出てきたら、ためらわず撤退したほうが身のためです。この氷の上で滑落したら止まらないので、まず助からないと思った方が良いでしょう。

ベルグラに覆われた鎖は厄介

低温下での鎖場は注意が必要です。例えば、前日に雨が降り気温が急激に下がった場合、鎖が岩と共に凍ります。ベルグラに鎖が覆われた状態ですね。鎖を岩から引き剥がして氷を落とす作業で、カチカチに冷え切った鎖から握力や腕力が落ち、低体温症から滑落するという事故に繋がりかねません。余裕を持った行程を取り、氷が溶ける時間を見計らって通過するなど、対処が必要です。

ヘッドランプは必ずお持ち下さい。

日の入りが早くなることも十分に注意して下さい。山の林の中は午後4時で暗くなります。登山道が西側なのか東側なのかでも、日の入りの時間が大幅に変わりますので、地形にも注意して下さい。ヘッドランプは絶対に必要ですね。

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